5241人が本棚に入れています
本棚に追加
背中と足にくる圧力が気持ちいい。
うーん、でもやっぱり上原くんのマッサージが一番だわ。
リモコンで強弱をつけて、目を閉じる。
…
…
「綾瀬?」
ん、その声は……。
目を開くと、まさかの、堺くんだった。
「ひやっ、何してるの?」
「風呂入りに来た」
それはそうね。
って、まさか……。
「堺、先行くなよ~」
エレベーターから降りてきた男。パタパタとスリッパの音が鳴り響いた。
それは毎日みる顔で。
「ショ、ショーちゃん?」
「葵くん」
眼鏡をかけ直してじっくりみられた。
「な、なんでここに……」
「あ、その、高校の後輩と……」
以前吐いた言い訳を言った時に気が付いた。
堺くんって、上原くんの顔を知ってる!
このままお風呂に行かせたら間違えなく遭遇すると思った私は、少しでも長く彼らを引き止めようとした。
「……ショーコ?」
上原くんは浴衣姿になって、こっちにやってきた。
ああ、ばれちゃう。
ドキドキして堺くんをみるが、無反応だった。
葵くんだけは妙に挙動不審な態度をとる。
「ショーコ、浴衣乱れてる」
彼が指差したのは、キスマークのあたり。
.
最初のコメントを投稿しよう!