連鎖

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「あ、しまった」 情事を終え、彼は呟いた。 「脱がすって言ってたじゃん、俺……」 とはいえ、私の姿は乱れていて。 帯がなんとか腰にまとわりついているだけだった。 「チラリズムに負けた」 悔しがる彼に私はキスをした。 「またすればいいじゃない」 ……言って気付いた。 私ってどんだけすきなんだ、と。 案の定、上原くんはニヤニヤしていた。 「そうだね。まだ夜も長いし、朝もあるし」 「え!?」 「ショーコからお誘い頂いたわけだし?頑張っちゃおっかなー、俺」 いや、頑張らなくていいって。 私は急いで身だしなみを整えた。 「さ、貸切風呂いこっか」 「え?いつのまに……」 「ははっ。俺は結構計画的なんだよ」 ―――― 貸切温泉に行くまでの道程の中、ホテル内の居酒屋で葵くんと牧原さんが飲んでいた。 なんでだろう。せっかく吉野美香と仲良くなるチャンスなのに。 .
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