二重生活

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「それだけはやめて!!」 私は必死になって止めた。 顔が涙でぐしゃぐしゃになる。 「やめて下さい、だろ?」 ゾクッ 「や、やめて下さい」 素直に言うと、上原くんはフッと笑った。 「どうして欲しい?」 逃げれないと悟った私は被害を最小限にしようと必死に考えた。 「ゴ、ゴムつけて下さい…」 「へぇ。抱いてほしいんだ」 「な、だってっ……!」 私が言い掛けると、上原くんは私の顎を掴んだ。 「だって?」 威圧感。 逆らったら全てが終わりそうだ。 「……っ!はやく抱いて下さい!」 「ふふ、いいこだね。最初からそうすればいいのに」 態度とは裏腹に。 彼のキスはやさしくて。 頭をゆっくり撫でられる。 「ショーコ、つけて」 避妊具を渡される。 私は目を背けながら、つける。 はやくこの瞬間を終わらせようと急いだ。 「手慣れてるね」 上原くんの冷たい声。 「後ろ向いて」 私は涙を流しながら、素直に従った。 両手を壁に手を付けて。 「ショーコ」 名前を呼ばれる。 キスと同時に彼が入ってきた。 .
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