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「へえ、次はカシスオレンジなんてどう?」
カシオレ、だいすき。
こくんっと頷く。
「ショーコ、かわいいね」
「ぁ……ん」
上原くんは眼鏡を外して、唇を奪った。
彼の口内は梅酒の甘さが残っていた。
私は彼の甘い場所を全て舐めとるように、舌を絡ませた。
「ショーコ、酒が入ると素直なんだから」
上原くんの顔を見上げる。
……ムカつくくらい、かっこいい。
脅されて犯されたというのに……私は所詮そんな女ということなんだろうか。
「そんな顔、他の奴にすんなよ?あんたは俺だけのペットなんだから」
彼はグラスを口にし、私の半開きの口に梅酒を流し込む。
それをお互い啜り合う。
顎に伝え、甘い汁をペロッと上原くんは舐めた。
「……んっ」
抑えられない声。
「カシスオレンジ、どうする?」
楽しそうな声。
正直、疼いて仕方ない。
だいすきなカシオレよりも、脅迫する最低な男が欲しい。
だけど、そんなことは言えなくて。
黙っていると彼が離れていった。
「時間切れ。カシスオレンジ、作ってくる」
「あ……」
私は思わずシャツを引っ張ってしまった。
慌てて離すと、上原くんは笑いながら、台所へと行ってしまった。
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