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「尚子先輩、また記録更新ですね」
高校生にしては高い声。
「俺も尚子先輩みたいになりたいです」
かわいい笑顔。
私にまとわりついていたあの子は、今どうしてるだろう?
あんなひどいことをしたから、もう会えないけれど。
元気でやっているかしら。
…
…
「……ーコ、ショーコ」
「……ん?」
目を覚ますと、端正な顔。
「あ……」
……上原くんだ。
ぼーっとみつめると、おでこにキスをされる。
「ねえ、お風呂入ろう?俺、ベタベタしちゃって」
「……そんな、一人で入ればいいじゃない」
あ、やばい。またいじめられる。
咄嗟に身構える。
「……そんなこという奴にはこうだ!」
「きゃっ」
私は宙に浮いた。
「うわ、軽っ。ちゃんと食べてる?」
抱き抱えられて、浴室に行く。
怖くて首にしがみつくと、彼は嬉しそうだ。
鼻歌まで歌っている。
「さ、まずショーコから洗ってあげる」
「いい。自分でやるから」
「だめ。ペットの世話は飼い主がするんだよ」
泡立てられたボディソープが、首筋、鎖骨、胸……と上から下へと落ちていく。
「ふぁ……くすぐったい……」
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