女王様

2/28
5222人が本棚に入れています
本棚に追加
/357ページ
「尚子先輩、また記録更新ですね」 高校生にしては高い声。 「俺も尚子先輩みたいになりたいです」 かわいい笑顔。 私にまとわりついていたあの子は、今どうしてるだろう? あんなひどいことをしたから、もう会えないけれど。 元気でやっているかしら。 … … 「……ーコ、ショーコ」 「……ん?」 目を覚ますと、端正な顔。 「あ……」 ……上原くんだ。 ぼーっとみつめると、おでこにキスをされる。 「ねえ、お風呂入ろう?俺、ベタベタしちゃって」 「……そんな、一人で入ればいいじゃない」 あ、やばい。またいじめられる。 咄嗟に身構える。 「……そんなこという奴にはこうだ!」 「きゃっ」 私は宙に浮いた。 「うわ、軽っ。ちゃんと食べてる?」 抱き抱えられて、浴室に行く。 怖くて首にしがみつくと、彼は嬉しそうだ。 鼻歌まで歌っている。 「さ、まずショーコから洗ってあげる」 「いい。自分でやるから」 「だめ。ペットの世話は飼い主がするんだよ」 泡立てられたボディソープが、首筋、鎖骨、胸……と上から下へと落ちていく。 「ふぁ……くすぐったい……」 .
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!