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「上原くん、今日飲み会があるの知ってる?」
今日は新人歓迎会をする。
月曜なのに。
普段なら不参加にするけれど、形式上参加せざる負えない。
「はい、俺達のためにありがとうございます」
礼儀正しくペコリとお辞儀をされた。
うん、いい子だ。
「一年目は皆でまとまっていくんだよね?」
私は上原くんと一緒に行くのがめんどくさいから、あえてそう行った。
彼は察したのか、コクリと頷いた。
「わかりました。一年目と行きます」
物分かりのいい子だ。
背が高くて、なんでも「はい」、「わかりました」と言う。
まるで、犬を飼っているみたいだ。
気分がいい。
「ショーちゃん、いく?」
葵くんがパソコンをシャットダウンする。
「いく」
急いで勤務表をつけて、端末をシャットダウンした。
「あれ、上原くんは?」
「一年目といくらしいわ」
「ショーちゃん。あの子、基盤で唯一の一年目だから気を遣わないとだめだよ?」
「……わかった。飲み会で挽回する」
葵くんに怒られ、少し機嫌が悪くなる。
そうすると、クスッと横で笑われた。
「ショーちゃんの顔。眉間に皺が寄ってる」
「もともとこういう顔なの!」
葵くんは苦笑して、早歩きの私についてきてくれた。
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