5241人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、綾瀬さんに葵さん」
アプリ開発を行うグループのフレッシュな面々の中に、我らが第一基盤チームの上原くんがポツンと座っていた。
少しだけ罪悪感がわいた。
「上原くん、隣いい?」
「……!はい!」
葵くんは上原くんの前、私は隣に座る。
乾杯をして、ビールを飲む。
「綾瀬さん、ビール平気なんですね」
上原くんがにっこり笑った。
「ショーちゃん、ビールは強いんだよね」
葵くんがにやりと笑う。
「もう、うるさいわよ。葵くん!」
そう、私は、かわいいお酒が飲めない女なのだ。
合コンに行っても、ひたすらビール。
カクテルを飲んだら、一発ノックアウトでお持ち帰り。
何度後悔したことやら。
「お手洗い、行ってきます」
私は化粧ポーチをもって、お手洗いに向かう。
はあ。
疲れた。
飲み会はまだ始まったばかりなのに。
別れた彼氏にも言われたな、なんでビールしか飲めないんだって。
無理矢理苦手なワインを飲まされたこともあった。
翌日二日酔いになっても、謝ってもらえなかったな。
やばい、涙がでてきた。
なんで、私、振られたんだろう。
なんで、私、もてないんだろう。
こんなに頑張ってるのに。
.
最初のコメントを投稿しよう!