<1話>青春の1ページ

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 抜け出した広場では会社員が大勢集まり、飲んで歌って大いに盛り上がっている。  俺たちはそれを横目に屋台のある通りにでた。  通りではいくつかの屋台が意外とたくさん見物に来ていた客相手に、声を大きく商売している。   「ねえ柿崎、俺やっぱりこういう屋台の雰囲気とか好きだわ」 「お、おぉ!? 急にどうしたんだ中本、そんなに目を輝かすことか?」 「まあたしかにこういう屋台の雰囲気って客と一体感があるっていうか、ものすごく気持ちが良さそうだよな」 「有川、おまえもかよ」  柿崎がポケットに手を突っ込み、急に辺りを見渡しだした。 「何してるんだ?」
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