<1話>青春の1ページ

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 目を閉じる。 「有川どうしたんだ?」 「いや、なんでもないよ」  目を開き、軽く微笑みながら柿崎たちの方に振り返る。  そこにはいつもと寸分違わぬ友人が立っていた。 「柿崎、中本、俺……」 「お、おぉ……」  ふたりの声が重なった。 「俺……金魚すくいがしたい」 「……はぁ!?」  ふたりの声がまた重なる。 「……おいおい、深刻そうな顔してたから何を言うのかと思えばそんなことかよ。中本、おまえ去年も来たって言ってたよな。去年は金魚すくいあったか?」 「去年はあったよ。去年と同じ場所でやってるなら、ここからそう遠くない場所でやってたはずだよ」
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