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「何あの子、すごーい!」
「何だよあれ、本当にここの生徒か?」
ある一人の生徒の測定をほとんどの生徒が注目していたのだ。
「はっ!」
今、萩野 熙の受けているものは、どこにいても、熙に向かって0.1秒間隔で絶え間なく最大速度で連射されるボールを避けながら装置に近づき、その装置を壊すまでのタイムアタックであった。
「はぁっ!」
グシャ
「萩野 熙、記録、5.1秒。最高評価・・・」
熙は迫りくるボールを難なく避け、とても数トンの力を与えないと壊せないような金属加工されている装置をパンチ一発で粉砕したのだ。
熙のこれまでの測定評価は全て最高評価であった。
測定者は何かあれば一言コメントを入れてもいいのだが、その一言に
「こんな測定では測りきれない力を彼は持っていそうです。」
とも書かれていたらしい。
「あの子、今のところ全部最高評価らしいよー。」
「もしかしたら、ここの高校から初のレベル5が出たりするかもな!」
「でも、あの子ってまだ能力に目覚めてないんでしょ?それってどんなにシステムスキャンでいい成績出しても、結局はレベル0ってことに・・」
「僕はこのシステムスキャンとやらを通してずっと違和感を感じている・・・。
誰かが僕をどこかでじっと見ているような気がする・・・統制者でもない、何者かが・・・」
熙は誰かに監視でもされているような気がしていた。
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