1人が本棚に入れています
本棚に追加
人波に混じってだらだらと教室を出て、昼下がりの食堂に席を三人分とって座った。
いつもの場所、いつものメンバー。
「今日の講義眠かったぁー」
「ほとんど寝てたじゃない」
「寝てないよ、船こいでたの」
悪びれもなく明るく言う友達に私はため息をついた。
「それを居眠りっていうんじゃないの?」
「違うよー!あ、そういやみっちゃんは?」
きょろきょろ見回す彼女。
他意のない動きが、少しだけ私の苛立ちを募らせた。
「また彼氏じゃない?」
思わず冷たく言ってしまってからしまった、と友達を見る。
でも、彼女はそっかぁ、と間延びした一言で終わらせた。
よかった、鈍感な子で。
私は心の中で安堵の息を大きく吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!