第二章・サイン

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 七夜んは私の疑問を代言する。  「未来さんは、その蜂須賀組の組長の娘さんなんでしょ?恨みを持たれるとしたら。未来さんじゃなくて未来さんのお父様の方だと思うけど。この推測だと、敵対組織のチンピラが犯人って事になるわね」  うん。それなら脅迫状が届けられた事に納得出来るけれど。どうしてその脅迫状を未来さんが持っていたのかが分からない。  「もしかして未来さんのパパは、脅迫状から娘の未来さんに危険が及ぶ事を懸念して、妙高高原に逃がしたのかも」  「未来シ。確かゴルフ場のオーナーが父親の知り合いだと言ってたわね。匿って貰う為にここまで逃げて来たの?」  私の台詞にウニョンさんがそう続くと。未来さんは、首を横に振った。  「アニエヨ。脅迫状は間違い無く私宛てなんです」  「どうして、そう言いきれるの?」
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