第一章 私の友達

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なにもすることがなくて暇をもて余していたとある昼間。 廊下を歩いている時にひょいと背伸びをして窓から庭を見た。数年間手入れのされていなかった庭には、これでもかと言うほど雑草が生い茂っている。 この家は私には広すぎて、どこからキレイにしていいのかもわからない。私のベッドがある部屋以外はほとんど放置されている。 「ぅわああああっ!?」 ガチャーン… 突然の大きな音にびっくりした私は思わず全身で飛び上がった。慌てて縁側から庭へ降りて、雑草を掻き分けるようにして進む。 門柱の影からそっと顔を覗かせると、夏らしい、白いワンピースを着た女の子が私を見つけてはにかんだ。 「ははっ ちぃ、いたの?」 こけちゃった、はっずかしー。 そんなことをいいながらその女の子は私の方へ近寄ってくる。 彼女はマキちゃんといって、私の友達だ。
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