1人が本棚に入れています
本棚に追加
なにもすることがなくて暇をもて余していたとある昼間。
廊下を歩いている時にひょいと背伸びをして窓から庭を見た。数年間手入れのされていなかった庭には、これでもかと言うほど雑草が生い茂っている。
この家は私には広すぎて、どこからキレイにしていいのかもわからない。私のベッドがある部屋以外はほとんど放置されている。
「ぅわああああっ!?」
ガチャーン…
突然の大きな音にびっくりした私は思わず全身で飛び上がった。慌てて縁側から庭へ降りて、雑草を掻き分けるようにして進む。
門柱の影からそっと顔を覗かせると、夏らしい、白いワンピースを着た女の子が私を見つけてはにかんだ。
「ははっ ちぃ、いたの?」
こけちゃった、はっずかしー。
そんなことをいいながらその女の子は私の方へ近寄ってくる。
彼女はマキちゃんといって、私の友達だ。
最初のコメントを投稿しよう!