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今まで黙っていた豊が静かに口を開いた。
「俺も未だに信じられないんだけど…カトケンはつまらない嘘を言うようなヤツじゃないからな。バカだけど。それに俺が何回聞き直しても嘘じゃないと言うし…もうこれは本当の事だと認めるしか…バカだけど。」
「おい!!お前達夫婦は何回俺をバカ呼ばわりするんだよ!?いいか藍!俺は嘘は言ってないからな!」
それでもなお信じられない様子の藍はなにかを考えている様子だった。
またなにを考えているんだか…それよりいい加減寝てもいいのかな?
その時「あ、そうだ!」となにかを閃いた様子の藍だった。
「まあ健ちゃんがそこまで言うなら信じなくもないけど。でもね…私は自分で見たもの以外は信じられないの。百聞は一見にしかずってよく言うでしょ?だから会長を紹介してよ!それなら信じる!」
藍は自信満々に言い放った。そんな事言われてもなぁ…綾子に聞かない内に返事はできないからな。弱ったな。
「なんだ。やっぱりできないんだ。そうだよね。嘘だもんね。健ちゃんが会長と付き合うなんて奇跡が起きる訳ないもんね。ちょっとでも信じた私がバカだったなぁー。」
藍はわざとらしく俺の方を見た。どうやら俺を挑発しているらしいのだが…あいにく俺には無意味だ。他のヤツなら意地になるだろうが俺にはそんなプライドなんて一切ないからな。
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