第1章

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まず、自分の置かれている状況を整理してみよう。 俺は軽く目を閉じて、これまでの記憶を整理する。 まず、仕事に行くために駅に行く。 そしてホームで電車を待つ。 電車が来たときに酔っ払いのジイサンにホームから線路に突き落とされ、そして電車が目の前に迫って来て意識を失い何故かここにいる。 うーん。 整理してみて改めてぞっとする。 自分で言うのもなんだが確実に死んでる。 なんで生きてるんだろう。 今度は比較的冷静に考えてみるが答えは出ない。 まぁ、当たり前か。 とりあえず誰かに連絡を取るために携帯を開くが圏外であった。 この圏外という二文字に大分心が折れそうになったが、ここで折れてもしょうがない。 まず電波が入る所まで行かなければならない。 俺はゆっくりを立ち上がり周りを再度見渡す。360゜あらゆる角度が草原でありその周りを取り囲む様に木々が生い茂っていた。 とりあえず迷っても仕方ないので俺は横に落ちていた仕事用の大口のショルダーバッグを肩にかけ、適当な方向に歩き出した。
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