プロローグ

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その曲を聞いてるとその当時の記憶が蘇る。 普段聞くときはそうでもないがこうゆう感傷的な時に聞くと何故か非常に切なくなる。 英語の授業中に散々遊んで、先生にあとで職員室に呼び出され、皆で仲良く反省文を書いて、結局書いてる最中に下らない話で盛り上がり、また怒られるのループ。 皆で海と川と山にいったり、でも冬に海は勘弁だな。 部活サボって、カラオケやボーリングに行きまくった時期もあった。 ああ、楽しかったな。 また学生に戻りたいなとつい甘い事を考えてしまう。 気を取り直して再び窓に目を向ける。 そこには暗いがようやく見慣れた真新しい景色が広がっていた。 就職先は地元から遠く離れた新天地で一人暮らし。 確かに最初は楽しみだったし、事実最初は楽しかった。 何かこう自由になった…そんな漠然とした感覚が当時とても新鮮だった。 だが、次第に仕事がきつくなり、帰ってはすぐ寝る。その次の日は仕事と、そんな日常を繰り返していくうちに最初に抱いていた感情はとっくに消えていた。 本当に俺って駄目だな 割と本気でへこんでいたが流石にこれ以上悩んでいるのはまずい。 明日仕事だし、まだ降りる駅は先だ。 僅かではあるが 少し寝るか。 俺はゆっくりと瞼を閉じた。
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