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引き受けてしまったからには、全うしなければ……ということで急いでるんですよ、ハイ。
急いではいるけどご飯は抜けない。
特に朝食は今日一日の私の源になるんだから、抜けないのだ。
抜けば昼まで保たないし、テンションはだだ下がり。
しっかり食したいところだが、今朝は茶碗一杯で止めておかなければ、本気でマズイ。
思っていたより一品多くて喜んでも、味わう余裕もなく掻き込む。
「LAよ、ロサンゼルス!海外勤務は出世コースなんだから!」
黙々と箸を進めていたら、どうやら先程の話も進んでいたようだ。
「そりゃスゴイね~、単身赴任頑張って」
なめこの味噌汁が胃に沁み渡り、ホッと一息吐く。
やっぱ、朝は味噌汁とご飯が鉄板だな~、なんて感慨深く味噌汁を啜る。
「ハハハッ、父さんが一人で行くはずないだろ?母さんは連れて行くさ」
あぁ、そうだった。
娘もドン引きするほど仲睦まじい両親。
変な設定でも、二人の仲は変わらないワケね。
「海外に住んでみたかったのよね~。ハリウッドスターに会ったらどうしよう!」
母の妄想には着いていけず、的確なツッコミも面倒で、聞き流して父に言ってあげた。
「じゃあ、私は日本で待ってるよ。サミシクナルネー」
棒読みなのは話に乗り切れていない証拠。
これでも私は頑張ってる方だと思う。
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