廃人について

11/33
前へ
/158ページ
次へ
SIDE:空夜 河波達が出て行った後、俺は理事長に引き止められた。ソファーに座り、理事長と話しをする。 「本当に河波君を連れて来られるとは思わなかったよ。これなら早く授業にも出させられたのではないか?」 「いや…それは…。」 無理矢理過ぎたな。あいつ半泣きだったし。ドアを壊すのはやり過ぎたかもしれないが無反応な河波が悪い。それに理事長が「連れて来られなかったら明日から君の机はない。」とか脅すから仕方なかったんだ。歯切れの悪い俺に理事長は苦笑して言う。 「相手は河波の一人息子なのによく出来たな。自分の命考えなかったのか?」 「どっちにしろ危ないじゃないですか…。」 脅した張本人が何言ってんだ。しかし河波財閥の跡取りとは思えない程のヘタレっぷりだった。引きこもりとは考えにくい綺麗な容姿だが中身は完全な引きこもりだ。何故か河波の方が命がどうとか言ってたし。あいつ本当に首席なのか?今までの発言ほぼ馬鹿っぽかったぞ? 「授業に出るよう言ってくれないか?確かに成績は良いがこれじゃ河波君の為にならない。雪と同室なら無理矢理連れて行くかもしれないがそれで雪に何かあったら困る。君に任せて大丈夫かね?」 「はい。わかりました。」 そうして理事長室を後にした。河波どうしようか。ネトゲの執着っぷりが異常だ。後あの部屋の寒さも異常。しかもエアコンガンガンにしているくせに毛布にくるまってて暑いのか寒いのかよくわからない。何かと異常な生徒。 面白いな…。 SIDE END
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5735人が本棚に入れています
本棚に追加