廃人について

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すると暁月君がいきなり大声を出した。 「俺がわかんない話すんなよな!!!あ、俺の名前は暁月雪!雪って呼んでくれよな!そういや要も美形だよな!この学園は美形ばっかだな!!!」 どうやら話について行けなかったらしい。確かに俺が今日会った人ほとんど美形だ。人間って進歩してるよな。俺が引きこもっている間に皆美形になってしまった。疎外感を感じるよ。暁月君の言葉に若干顔が引きつる宿主。海斗先輩までも苦笑していた。 「じゃあ寮案内に戻ろうか。」 佐倉先輩の合図で俺達は宿主に別れを告げて歩きだした。 大分歩いただろう。俺は疲れすぎて途中から海斗先輩に手を引かれる形になった。もう息が切れて来た。自分の体力の無さに驚きを隠せない。 「安里ちゃん大丈夫?」 「大丈夫…じゃないです…。すいません…手、引いてもらって…。」 「安里ちゃんの手ぇスベスベだよー。」 心配そうに言う海斗先輩。それより何で3人共平気なんだ。やはり人間は進化していた…。 「もう案内は大体こんな感じだから終わりでいいか。河波君、生徒会室来られる?校舎の方にあるんだけど…。」 「え…。」 そういえば生徒会室行かなきゃいけないのか。校舎って此処からどのくらいだろう。遠そうだな…。実はまだ校舎に入ったことがないのだ。多忙な毎日だからね。俺が悩んでいると佐倉先輩は苦笑して言う。 「無理そうだね。じゃあ明日でいいや。今日はまだ仕事あるし、ばいばい。」 「おう!またな、朱鷺!」 「あ、さようなら。」 そうして、佐倉先輩はニコニコ手を振りながら去って行った。その時一層周りの叫び声が煩くなった気がした。
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