転校生について

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SIDE:涙 相模大和が入って来た時、安里の顔が強ばったのがわかった。 「……。」 無言で教室を見渡す相模。教室全体の温度が下がる。 ヤバいのが来た。 相模は安里がいる位置で視線を止めた。今の安里は髪と目の色が違うはずだが…。 安里が耐えられず視線を下に向けると相模はにやりと笑った。 「髪染めたのか?俺は茶髪が好きだったけどなぁ?」 ばれた。俺の作戦は何の効果もなく砕け散った。不気味な笑みを浮かべたまま奴は俺の方、つまり安里の方へと近づいた。 どうする、どうする俺。 「あんた、安里に何か用?」 考える前に言葉が先に出た。相模の殺気がこもった目に冷や汗が垂れる。 「…何だてめぇ。」 「安里、恐がってんだけど。」 俺が言うと安里の肩はびくっとはね上がった。 「んなわけねぇよ。安里、俺と一緒に遊ぼうぜ、昔みたいによぉ。」 相模は俺を睨んだ後、楽しそうに安里に手を伸ばした。 考えるより先に俺は相模の腕を掴んでしまった。 心臓が止まるかと思った。
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