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それからしばらくして注文した品が運ばれて来た。
「ありがとう!!!」
雪君がウェイターに大きな声で言えばウェイターは少し驚いた後、微笑んで去って行く。それはいいとして俺は自分の目の前にあるメニューに驚きを隠せなかった。
「…多くない?」
俺の前には豚カツ、ご飯、味噌汁という派手な内装の割に庶民的な料理。まぁ食べやすいからいいが俺にとってこの量は4、5日分の量であった。俺の呟きにナオは「普通です。」と淡々と言い、海斗先輩は「あははー…。」と苦笑していた。だが運ばれて来てしまったので俺も3年ぶりのまともな食事をすることにした。
と、そんな時、食堂にさっき以上に大きな歓声がわく。一体これは何の儀式なのだろうか。まぁ気にせず食べていると、
「さっきぶりだね、雪。河波君もいる。」
聞き覚えのある声に振り向くとそこには佐倉先輩含め、6人の美形が立っていた。
「あぁー!朱鷺じゃん!そこにいる奴ら誰だ!?」
「あ、佐倉先輩、こんにちは。」
佐倉先輩を見るなり笑顔で言う雪君。俺も控えめに挨拶しておいた。すると、佐倉先輩はにっこりと微笑んで言った。
「呼び捨てもいいけど先輩っていうのもいいね。」
そういえば佐倉先輩はさっきの歓声で「佐倉様ァァ!」とか言われてたな。ナオと言い海斗先輩と言い、美形は様付けされるんだな。またも時代の変化に驚く。
「おい、そのキモオタが朱鷺のお気に入りとかじゃねえよな。」
そう言ったのは佐倉先輩の左隣に居たイケメン。黒髪に金のカラーコンタクトをした長身の男。
「僕は雪が大好きだよ。邪魔はしないでね。」
「誰がこんな汚ねぇ奴に手ぇ出すかよ。」
「おい!お前人に向かって失礼だぞ!見た目で判断するな!!!」
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