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それからは大変だった。会長らしい人が雪君を気に入り、キスしてぶちギレた雪君が会長を殴ったし、チャラい会計っぽい人や書記やら双子庶務まで雪君は友達になってしまった。俺はというと日替わり定食を半ば押し込めるように食べた。そして、ナオと海斗先輩に引かれて食堂を後にした。
向かった先は風紀室。ドアの修理が終わるまでここで暇潰しをしようということになった。ソファーにナオと海斗先輩に向き合うように座る。そこで俺は今まで疑問に思っていたことを言う。
「ずっと気になってたんだけど何で皆はいつもあんなに叫んでるの?今の時代はそういう時代なの?」
ナオや海斗先輩のような美形を見ればかっこいいなぁ、程度には思うが悲鳴のような叫び声は普通出さない。しかも女子ならまだしも声の主は正真正銘男子である。どういう流れでこんな時代になったのか気になる。俺の問いに二人は苦笑して答えた。
「時代は関係ありません。」
「ここが特殊なんだよー。」
「…?」
話を聞いてみればなんとこの学園は異常なまでに美形を崇めていた。さっき食堂に来た生徒会は「抱きたい・抱かれたいランキング」と呼ばれる人気投票で決まり、その生徒会は佐倉先輩の言う通り相当な権力を持ち合わせていた。簡単に言うと、この学園で理事長の次に偉い。教師よりも上の立場らしい。それと、この学園はホモやゲイ、バイが9割だと。
「…えぇー…。」
とんでもない所に来てしまった。因みにナオも海斗先輩も当然の如く例のランキングに入っているらしい。イケメンだからね。
「まぁいいや。俺基本部屋に居るし。」
「それはいけません。」
俺の言葉に顔を険しくするナオ。海斗先輩も困ったように言う。
「安里ちゃん、もう引きこもりはやめよ?身体壊しちゃうよ?」
「むしろ今まで平気だったことに驚きですね。」
だから栄養ばっちりだってば。
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