廃人について

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気付いたら朝だった。俺は予定通り徹夜。寝る暇なんて無かったし、雪君達の騒ぎが11時くらいまで続いていたから寝ようにも寝れないだろう。一回背伸びをして、また狩りに行こうと思った矢先、 バアァァァァァァン!!! デジャヴ。横を振り向けば昨日同様ドアが破壊されていた。新品なのに。それより2人もの人に破壊されるなんてこのドア相当もろいんじゃないか?しかも今回は俺と変わらない背丈の雪君だ。 「おはよう!安里!!!ってあぁー!またゲームしてる!!!」 朝っぱらから元気な奴だな…。俺は朝も何もないけどさ。俺を指差した雪君はムスッとした顔で言う。 「こんな時間からゲームなんていけないんだぞ!」 「え…。」 「それに今日は俺と一緒に学校行くんだぞ!!!早く準備しろよな!!!」 それは無理なお願いだ。いつそんなこと決まったんだ?まぁ仕方ない。出席率稼ぎで今日行ってみるか。俺はため息をついた後、まだ一回も来ていない制服を取り出す。ブレザータイプの制服である。中学の時も一回も着なかったから今日、人生で初の制服だ。 「…なんか動きにくい…。」 毎日Tシャツだったからこんなピシッとしたものは慣れない。これをほぼ毎日着ていると思うと尊敬してしまう。 朝食を無理矢理食べさせられた後、雪君に手を引かれて職員室へ向かった。昨日同様廊下は煩かった。悪口も含まれていて、あまり気持ちの良いものじゃない。悪口は言われ慣れているけど。
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