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会ったばかりで友達だって言うのは厳しいよな。いや、俺が引きこもっているうちに世間は変わってしまったのかもしれない。三年間で変わるものだな…。そう思っていると、理事長室のドアがノックされ、一人の生徒が入って来た。
「失礼します。また何かご用でしょうか?」
そう言ったのは金髪碧眼のイケメンだった。背が高く何処か王子様のような雰囲気を漂わせている。彼が入って来たことでその場は静かになった。と思いきや、
「あー!朱鷺じゃん!また何かあったの!?」
暁月君がその人を見るなりまた騒ぎだす。朱鷺と呼ばれたその人は暁月君を見ると笑顔で返した。
「やぁ雪。また会えて嬉しいよ。」
イケメンの笑顔は眩しいなぁ…。直視出来ない。俺もあんな顔だったら外に出る自信ついたかもしれないよ。
「佐倉君。君にはまた案内を頼みたい。ついでに河波君にも。」
「えぇ!俺は遠慮します!狩りに行かなきゃいけないんで!!!」
「狩り…?」
「はい!」
すっかり忘れていた!時計をみればすでに約束の時間から40分も過ぎていた。もう皆死んでいるかもしれない。すると佐倉朱鷺というらしい人が口を挟んできた。
「…ねぇ、河波君は僕と狩り?っていうのどっちの方が大事なの?」
「狩り。」
即答する。するとその人の表情は険しくなり、冷えた声になった。
「へー。何で?」
怖い。どうして怒った?嘘でも佐倉君って答えればよかった。俺は冷や汗をかきながら言う。
「えっと、あの、俺基本部屋に居るんでだ、大丈夫です…。」
「あぁ、河波君は引きこもりだったね。でも駄目だよ、そろそろ授業に出てもらわないと生徒会としても黙ってられないんだから。」
何で知っているんだ?それよりこの人生徒会か。流石、威圧感が違う。
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