『始動』

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―――今朝の目覚ましは、小鳥の囀りだった。 眩しすぎる初夏の朝日を浴びながら、少年はベッドから起き上がる。 「ふあああ・・・・・・眠」 大きく欠伸を一つ。 大して広くもない部屋を縦断し、のろのろと階段を下る。 漂ってきた味噌の香りに引き付けられながらも、なんとか洗面所にたどり着いた。 「・・・・・・」 蛇口を捻る。 水がぬるま湯に温まるのを待ちながら、少年は鏡の中の自分と対峙した。
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