『始動』

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既に居間では、家族が食事を始めていた。 「おはよ」 「おはよ、マル兄」 「あら、おはよう」 目玉焼きにソースをかけていた妹と、新聞を読んでいた母が挨拶を返してた。 ―――今更だが、妹が言っていたように、彼の名はマルという。 無論、あだ名である。 名は体を表すというが――この場合、名は顔を表すといった方が適切だろう。 (目玉焼きにソースは邪道だろ・・・) などと考えながら、マルは自分の椅子に座り、朝食に手を付けた。
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