『始動』

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「――さあ、始まりだ」 何処かで、誰かが呟いた。 「楽しませてくれよ。なあ、マル」 紅白に彩られたボールを、誰かがゆっくりと放り投げる。 アスファルトに跳ね返ったボールは、やがて勢いを失い、マルの側で止まった。 ――彼の運命が、誰かの運命が。 今、ゆっくりと動きだそうとしていた。
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