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スタートラインの脇に立つ先生がピストルを頭上に上げると、彼女たちは『用意』の姿勢を取った。
ーーーー パアーン! ーーーー
ピストルの乾いた音と共に一斉にスタートする。
始めはそれほど差はないものの、途中から一人の女子が前に出た。
ポニーテールを揺らしながら、彼女はぐんぐんと差をのばす。
そのフォームの美しさに、僕は足を止め、気付けば呼吸まで止めていた。
ゴールした彼女は、腰に手を当て呼吸を整える。
遅れてゴールしたチームメイトたちに囲まれて、飛びきりの笑顔を見せてくれた。
「あ、あの子…」
確か、同じクラスだったような。
名前は…えっと…
まだ覚えてないや。
明日、話しかけてみようかな…
僕は再び歩き始めた。
校門を出る途中、もう一度彼女の方を見てみると
まだチームメイトとおしゃべりをしている。
彼女だけ、輝いて見えたのは気のせいだろうか…
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