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そして本のほうに意識が向きはじめたリーオを見ながら、少しずつエリオットの不機嫌さが増していく。
「おい。」
「うん?………………あれ、どうなってんだ…?」
「………………」
「こいつが違うってことは……?」
もはや本の内容についてぶつぶつと独り言を言いはじめたリーオ。
そして。
「あぁ!そういうことか!」
ぶちっ
リーオが何かわかったらしく、嬉しそうにそう言い、顔をあげた瞬間、そんな音が聞こえた…気がした。
「おいリーオ!!聞いてんのか!!!」
ついに爆発したエリオット。
そんな彼にリーオは「うるさいなあ。」と耳に指を突っ込んでうるさいアピール。
そしてそのままキレた勢いで立ち上がったエリオットを見上げた。
「じゃあ行ってみる?」
「どこに。」
「レンのとこ。」
少し微笑みながら言うリーオ。
改めて恥ずかしくなったエリオットは少し赤くなった顔を隠すように背け、「あぁ。」とだけ返事をした。
「最近は寮母さんとも仲良くなったんだし、レンの部屋まで押しかけちゃおうか。」
一見無理なように思えるが、寮母と仲が良いレンのおかげで顔見知りとなった彼らには可能なことだった。
事実、今までも何度か互いの部屋を行き来していた。
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