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「そういえばエリオット様、お聞きになりまして?」
さっきの、何故女子寮に彼らがいるのか、という疑問ははっきり言ってどうでもよかったようで、思い出したように彼女らが好きなくだらない噂話が始まった。
「……何をだよ」
「レン=ブラックストーンのことですわ。」
エリオットの性格上そういった噂なるものは本来嫌いなのだが。
さすがにレンの名には即座に反応してしまった。
「その様子だと、聞いておられないようですね。」
対する令嬢は、エリオットがレンのことを知らないとわかり、勝ち誇ったようにクスクスと笑う。
そんな彼女らにイライラしつつも詳しく教えろ、と問いただすエリオット。
すると彼女たちの口から思いもよらぬ言葉が。
「レン=ブラックストーンに婚約の申し出があったらしいですわ。」
その言葉を聞いた瞬間、明らかにエリオットの表情に動揺の色が現れる。
そんなことを気にも止めず令嬢らは話を続けていく。
「なんでも相手はベザリウスの血筋の方だとか。」
「でもエリオット様がお知りにならないとは驚きですわ。レン=ブラックストーンも、仲良くしてくださってるエリオット様にそのことをお伝えしないとは礼儀がなってませんわね。」
「えぇ、ほんとに。」
「お二方、悪口は……」
「あら、ごめんなさいね、エリオット…様…?」
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