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「嫌よ…いきなり結婚だなんて…」
苦しそうに眉を寄せるレン。
彼女が誰を好いているかなんて周知の事実。
というか、そういう関係に至ってないだけでお互いわかっているのは確かだった。
「……………」
ぐいっ
突如、エリオットがレンの腕を引き、レイラから解放させると、今度は自分の腕の中に彼女を収めた。
「「「…!」」」
突然のエリオットの行動に、当事者のレンはおろか、見ていたレイラとリーオも虚をつかれる。
だがこんな状況下、レンはそれに安心したのか、ぎゅっとエリオットのシャツをにぎりしめた。
そんな二人に、レイラは「人の前でいちゃついて…」とにやけながら悪態をつき、リーオは静かに見守る。
「……こうなったらあたしの出番かな!」
ふぅ、と一息ついて立ち上がるレイラ。
何を言い出すか、と三人の視線が彼女に注がれた。
「レイラ、何言って………」
「大臣の一人娘をナメちゃだめよー、レン?」
レイラは何か企んだように、ぽかんとするレンにウィンクすると、「お先にー」とかなんとか満面の笑みで図書室を出て行った。
全く彼女の言動が理解できず、呆然とする三人。
と。
ずさささっ
そんな効果音が聞こえそうな勢いでレンがエリオットから離れる。
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