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「……ごめんなさい」
「いや、大丈夫だ」
どうやらレイラの行動で我に返ったレンが、自分の状況を改めて考えて恥ずかしくなったよう。
結構落ち着いたみたく、エリオットの手を借りながらも立ち上がる。
「……私も今日は帰るわ。…話、聞いてくれてありがとう。」
レンは気まずくなったように早口でそう告げると、図書室を出て行った。
「今日はまたずいぶんと積極的だったね、エリオット。」
呆然とレンが出て行った扉を見つめるエリオットの横で、リーオがくすくすと面白そうに笑う。
「うるせーよ。」
そう従者を肩越しに睨むも、エリオットはその赤くなった顔を隠すことは出来なかった。
はぁ、と嘆息して立ち上がる。
「オレらも行くか。」
「うん。」
会ったときからどこか彼女に惹かれていたエリオットの初々しい悩みは一応(?)解決。
そうして、二人ももう薄暗い図書室をあとにした。
*―*―*―*―*
次の日。
ラトウィッジ校の教室ではもうほとんどの生徒が集まっており、思い思いに会話を楽しんでいた。
「はあ?婚約破棄?」
そんな中、心底呆れたような言葉が無駄に大きく教室に響いた。
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