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「……………どちらかなんて決められないわ。 レイラもエリオットも好きだもの……」
考えた揚句、小さく吐き出された言葉。
好き、という単語を言うのが恥ずかしかったのか、最後の方が空に消えていく。
その初々しい様子にエリオットは明らかにストライクしてそっぽを向き、レイラはぎゅーっとレンを抱きしめた。
「あたしも大好きよレン!」
レイラに抱きしめられたままエリオットを見上げれば彼の頬が微かに赤い。
その横顔を見つめているうちにふと思いついたこと。
レンは彼の方へ手を伸ばし、彼の制服をくいっと引っ張ると、
「…好きよ?」
と一言。
そんな彼女の言葉にエリオットは一瞬目を丸くしたあと、すぐに目をそらして頭をかく。
そして、滅多に見られない笑顔を浮かべて、ぽん、と優しくレンの頭に手を置いた。
「…オレもだ」
口パクに近い形でそう告げると、レンが嬉しそうに笑みを浮かべる。
そしてそのまま、全く放してくれないレイラに目をやり、次いで静かに彼女らを見守るような笑みを浮かべたリーオに視線を移す。
…この三人がいなければ今の私はいない。
神様なんて信じていないけれど、三人に逢わせてくれたことには感謝する。
「ありがとう」
これからもこの四人でいれますように――。
Fin...
→あとがき
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