背負うもの

3/8

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
そんな二人の顔を覗き込むようにひょいと顔を出した赤。 「婦長、コムイ。蓮どこさ?」 特徴的な語尾で話す彼は、もちろんラビ。 どうやら恋人である蓮に会おうと救護室を覗くが、目当ての彼女はおらず、部屋の前で立ち尽くしていた二人に声をかけたらしい。 「ラビ!」 いいところに来た、とばかしに彼の肩をコムイががしっと掴む。 「な、何さ?」 あまりの近さに、怪訝そうに顔をしかめるラビ。 対するコムイの表情の必死さに圧されているようだった。 「ラビ、蓮知らないか!?」 「いや、わかんねぇから今オレ聞いたんだろ」 「お前の彼女なんだから居場所ぐらいわかれよ!」 「知るか!てかコムイなんかキャラ違えぞ!」 確かに。 そして恋人だから行き先がわかる、というのはエスパーぐらいの話だ。 「くそー…どこに行ったんだ、蓮は…」 頭を抱えるコムイの悲痛な呟きのあとの少しの沈黙。 と、ラビが何を思い立ったのか、小さく「…あ。」と呟いた。 「え、何!?」 「オレわかったかも!!!!!!」 その呟きにラビの方を見れば、すがすがしいほどにキラキラ目を輝かせていた。 .
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加