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そんな二人の顔を覗き込むようにひょいと顔を出した赤。
「婦長、コムイ。蓮どこさ?」
特徴的な語尾で話す彼は、もちろんラビ。
どうやら恋人である蓮に会おうと救護室を覗くが、目当ての彼女はおらず、部屋の前で立ち尽くしていた二人に声をかけたらしい。
「ラビ!」
いいところに来た、とばかしに彼の肩をコムイががしっと掴む。
「な、何さ?」
あまりの近さに、怪訝そうに顔をしかめるラビ。
対するコムイの表情の必死さに圧されているようだった。
「ラビ、蓮知らないか!?」
「いや、わかんねぇから今オレ聞いたんだろ」
「お前の彼女なんだから居場所ぐらいわかれよ!」
「知るか!てかコムイなんかキャラ違えぞ!」
確かに。
そして恋人だから行き先がわかる、というのはエスパーぐらいの話だ。
「くそー…どこに行ったんだ、蓮は…」
頭を抱えるコムイの悲痛な呟きのあとの少しの沈黙。
と、ラビが何を思い立ったのか、小さく「…あ。」と呟いた。
「え、何!?」
「オレわかったかも!!!!!!」
その呟きにラビの方を見れば、すがすがしいほどにキラキラ目を輝かせていた。
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