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「おはようさーユウ」
ユウ、と呼んだラビに神田はあからさまに怒りを露にする。
彼はファーストネームで呼ばれるのを嫌う。唯一許しているといえば蓮くらいだ。
「てめーバカウサギ…ユウって呼ぶんじゃねえよ…」
ギロッとラビを睨む神田。
そんな神田におおう、とラビは肩をすくめた。
と、ラビと神田のやり取りを楽しそうに見ていたリナリーが、何か思い出したように「あ」と声を上げる。
「そういえば、ラビに渡すものあったんだわ。」
そう言ってリナリーはポケットに手を入れ、小さな紙切れを取り出した。
「今日ラビ誕生日でしょう?」
微笑みながら言うリナリー。
今日は8月10日、正真正銘ラビの誕生日だ。
そして彼女に誕生日プレゼントとして手渡された紙には…
「うわっ!食堂の焼肉食べ放題のチケットさ!」
「は!?」
「うん。みんなで考えたんだけど…やっぱりラビはこれがいいかなって思ってね。」
「ありがとさー!」
大好物の焼肉をいっぱい食べられる―嬉しそうなラビによかった、とリナリーも笑顔になる。
「そうだわ、神田。私、貴方探してたのよ。」
思い出したように、リナリーは一応そこにいた神田を見上げる。
ちょっと科学室来て、そう言ってリナリーはじゃあねと一言告げてその場から離れた。
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