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今だに紙を見つめてニコニコしているラビの手元を覗き込むと、そこには本当に<焼肉食べ放題!>の文字。
「よかったじゃん、ラビ。」
「おう!みんなよくわかってくれてるさー…」
「………」
いつまでも自分以外からのプレゼントにニコニコしているラビに、蓮は少し頬を膨らます。
そして拗ねたように一つの小包をつき出した。
「……何さ?」
「何って…私からの誕生日プレゼントに決まってんでしょ。」
「え!まじか!」
大好きな彼女からのプレゼント。ラビは急いでその小包を開ける。
丁寧に包装されたそれに入っていたのは片方だけのリングピアス。
「これとお揃いよ?」
そう言って蓮が右側の髪をかきあげて晒された右耳には、同じ型のリングピアスが刺さっている。
「ありがとさ、蓮!」
さっき焼肉食べ放題のチケットを貰ったときとは比べ物にならないほど嬉しいのか、ラビは勢い余って蓮を抱きしめる。
蓮も少し驚きながらも、すっぽり彼の腕の中に収まった。
「お揃いのなんて持ってなかったでしょ?」
そう言いながら、蓮はラビの胸から放れて彼の手の中の小箱から片方のピアスを取ると、少し背伸びをしてそれをラビの左耳のピアス穴に刺し込んだ。
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