いつまでも君を想う

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「うん、完璧。」 ピアスを付けたラビを離れて見て、蓮は満足そうに頷く。 彼女の心底嬉しそうな笑顔に、ラビは優しい笑みを浮かべると少し屈んで蓮と目線を合わせると、 「これはお返しさね。」 そう言って、ちゅ、と軽く蓮にキスをした。 「…………っ!」 途端、真っ赤になった蓮に、してやったとばかしに悪戯な笑みを浮かべるラビ。 端から見ればバカップルだが、本人たちが楽しげなのでよしとしよう。 「れーん!お楽しみんとこ悪いが、室長が呼んでるぞ!」 二人の雰囲気を遮るように聞こえたのはリーバー班長の声。 室長から呼び出しということは任務か…… それを即座に判断した二人は残念そうに顔を見合わせる。 「ちぇ……せっかくラビの誕生日なのにね」 「仕方ねぇさ。こんなこと日常茶飯事だろ?」 「……まあね。」 エクソシストは任務から逃れられない。 それは神に見初められた彼らが一生背負わなければならない、時にその命を一瞬で奪い去る哀しい運命、だ。 「じゃあ行くかな… コムイも待ってるだろうし。………すぐ戻るから。待ってなよ、ラビ。」 彼女特有のすました笑みを浮かべ、蓮は後ろ手に手を振りながらラビに背を向けた。 .
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