いつまでも君を想う

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声に気が付いて、女エクソシストがこちらを振り向く。 その瞬間、ラビは目を見張った。 「……蓮?」 ラビの小さな呟きは空に消え、コムイが何やら二人に告げている。 だがそんなことを気にしている余裕もないほど、ラビの意識は蓮に釘付けだった。 紫がかった黒髪に、漆黒の瞳。 全くもって蓮と同じ雰囲気を纏っていた。 「ブックマンのラビ、だっけ?はじめまして、夏目支葵(ナツメ シキ)です。こっちはアレン=ウォーカー。二人共適合者。よろしくね、ラビ。」 夏目、支葵。 蓮と同じ日本人ではあるようだが、全く違う名前。 それにそう言って笑う笑顔も、少し蓮とは違う。 彼女は別人だ。 普通なら死人が甦るなど考えもしないが、それをラビは思いつき、だが冷静に否定する。 あからさまに戸惑うラビに、支葵は誰にも気付かれないように俯いてフッと笑みを溢した。 「コムイさん。私は少し出てきます。」 そう言って支葵はコムイへ軽く会釈すると部屋のドアへ向かう。 そしてラビの横を通り抜ける瞬間。 「…ね? また会えるって言ったでしょ?」 久々に聞く、女にしては少し低い声。 はっとして振り向けば、そこには支葵、いや蓮がいつもの笑顔を浮かべていた。 Fin.... (なー蓮?) (今は支葵だから。) (どーやって生き返ったんさ?) (………秘密。) →あとがき
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