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「っ、おい! お前も教えろよ!」
思わず忘れそうになり、即座にそう叫ぶと、少女は歩みは止めずにこちらを向く。
そして泉を指差して何か企むような悪戯な笑みを浮かべてこう言った。
「あの花と同じ。忘れないでよ?」
****
「れーん。早く目ェ覚ませ。」
呆れたように名前を呼ばれ、女は意識を覚醒させる。
目だけ開けると、上から自分を見下ろしていた我が隊長に睨み付けられていた。
「……おはようございます、隊長。」
苦笑いしながらそう言えば、護廷十三隊十番隊隊長である彼―日番谷冬獅郎に盛大にため息をつかれた。
そしてその的となっているのが彼女、十番隊第三席 結城蓮だ。
「久しぶりに夢見たな…」
「は?」
ぼそっと呟いた蓮に、日番谷は聞こえなかったのか訝しげに疑問符を浮かべ、蓮の隣に腰を下ろす。
「私と冬獅郎が会ったときのやつ。覚えてるでしょ?」
「泉でのだろ?」
「そう。あんたが、私の未来を決めた。……ありがとう。」
そう言って、蓮は日番谷に笑いかける。
日番谷も滅多に見せない軽い笑みを浮かべ、蓮の髪をくしゃっと撫でた。
流魂街の泉での偶然の出会いと、そしてそれからの霊術院から今まで。
彼らはそれぞれ、氷雪系最強と鬼道系最強の斬魄刀を持つ者として共に歩んできた。
そしてそれはこれからも変わらないこと。
二人はそのまま肩を寄せて眠りについた。
Fin....
(隊長ー!!! 松本ただいま戻りましたっ…………てあれ?)
(スー… スー…)
(二人でお昼寝なんて。ほんとラブラブねぇ…)
(これからも二人に付いて行きます!)
→あとがき
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