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「ん?」
小さく声を上げ、こちらを見た蓮と改めて目が合い、理性が危なくなる。
それを案じられないように押し込め、だが、彼女の顔を見ていると何かしら困らせたくなった。
要は、ドS心が働いたということ。
沖田は顔を俯かせてフッと微笑うと、不思議そうにこちらを見る蓮の後頭部に手を回した。
「え…………」
沖田のやらんとしている行動に気づいたのか、蓮が戸惑いの声をあげるが気にしない。
運よく、店内には女将もいなかった。
「さっきの御返しでさァ。」
「何の話…」
目を細めて笑いながらそう言って、蓮の言葉を遮るようにちゅ、と触れるだけのキスをした。
「っ……!」
途端、真っ赤になった蓮に、してやったとばかしに笑みを浮かべる沖田。
やられた………。
対する蓮も、やはりさっきの沖田と同じ反応。
思った以上にときめかされ、心が落ちつかない自分に内心舌打ちをしながら、対抗するように沖田をしかと見つめ返す。
「ばーか。」
思いっきり優しい憎しみを込めてそう言うと、後頭部の沖田の手を払って立ち上がった。
「おばちゃんご馳走さまー!」
そう大きな声で告げて、店を出ていく蓮。
「可愛すぎだろィ……」
その背中を見送って、沖田が頭をくしゃっと抱えて呟く。
最後の蓮の反撃、沖田には大きなダメージを与えれたようでした。
Fin....
(あ、沖田さん)
(?)
(蓮の抹茶代、宜しくね~)
(…………やられた)
→あとがき
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