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何故ここまでされて自分がここに連れてこられたのか。
先程からウォルターの行動の目的が1つとしてわからないモモは、疑問符を浮かべるばかりだ。
「…なんでカルロの部屋?」
ぼそっと呟かれたモモの疑問は彼の耳に届かなかったのか、ウォルターは優しくモモを下ろす。
そして一呼吸したあと、彼にしては珍しくノックをした。
「……どうぞ。」
中からカルロの声が聞こえ、ウォルターはモモの手を引いて中に入る。
するとノックをしてきた相手がウォルターだとは想像もしてなかったのか、カルロが拍子抜けしたように目を丸くする。
「ウォルターがノックなんて珍しいな………どうした?モモまで連れて。」
一度こちらに向けた視線を今やっていた書類の方へ戻し、どこか楽しそうに訊ねるカルロ。
何を言うつもりだろうとウォルターを見上げていたモモだが、その後彼が告げた言葉には驚かざるを得なかった。
「カルロ、モモを俺にくれ。」
「「…………は?」」
今、なんて?
彼の突拍子もない言葉に、モモと、そして野次馬に来ていたアンディの素直な反応が被る。
だが言われた本人は、驚きもせず楽しげにまた顔を上げている。
「え、ちょっと……くれってどういうこと?」
「どうもこうも、そのまんまの意味だよ。」
ウォルターの袖を掴みながら言うモモに、対する彼は微笑みながら彼女を見下ろす。
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