4人が本棚に入れています
本棚に追加
「モモじゃないと駄目なんだよ。」
抱き締められたまま耳元でそう囁かれ、モモがぴく、と反応する。
余りにも嬉しい言葉。
モモは意を決したようにぎゅっと唇を締め、ウォルターを見上げた。
「…よろしくお願いします、ウォルター。」
笑みを浮かべてそう言うと、彼も満面の笑みで返してくれた。
そして。
ウォルターの顔が近づいてきたかと思うと、視界を赤が覆い、何かが唇に触れた。
「…………!」
何が起きたのか理解したときには、モモの体温は急上昇。
ウォルターの方を見ればさっきと変わらない笑みを浮かべたままだ。
「周りに人がいることを忘れるなよ、二人とも。」
その声にはっとしてモモは周りを見渡す。
なかば呆れたように笑うカルロに、自分達を微笑ましそうに見ているモニカ、そして年相応に顔を真っ赤にしているアンディ。
三人の目の前でキスなんて…!
もはや居たたまれなくなり、モモは両手で顔をおおう。
「羨ましいだろ、カルロ。」
「馬鹿を言うな。人前でキスするなんて節操のない男に、可愛い妹をやっていいのかと迷ってるところだよ。」
「迷うもなにも、モモがいいと言ってることに口挟むなんて妹離れが出来てねえな。そこは認めとけお兄ちゃん!」
.
最初のコメントを投稿しよう!