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そう言ってにっと笑うウォルターに、カルロは髪をがしがしかいて小さくため息をつく。
そして一度モモを見たあと、再度ウォルターを見直した。
「………可愛い妹がいいと言っていることに、反対する理由があると思うか?」
カルロもウォルターも、お互いの視線を外すことは全くなく、部屋の中はしんと静まりかえっていた。
一息ついて、カルロが続ける。
「モモを、よろしく頼むぞ。ウォルター。」
「…もちろんだ。」
カルロの言葉に、ウォルターは先程の冗談めいた笑みはなく、真剣に、そして静かに一言告げる。
その一連の誓約が終わったことで、やっと、モモは笑うことができた。
「………ありがとう、兄さん。」
無意識に、そう呟いていた。
カルロは彼女の言葉に驚いたように目を丸くしたが、モモの心底嬉しそうな笑みに頬を緩める。
「兄さん、か。その呼び方も悪くないな。」
「…うん。ほんとに、育ててくれてありがとう。」
そう言って、モモは深く頭を下げた。
そして顔を戻してカルロの笑みを確認してから、ウォルターに向き直り、背伸びをしてぎゅっと抱き着いた。
それを受け止めるように、ウォルターがしっかり抱き締める。
「改めて、今日からよろしく、ウォルター。」
「………ああ、可愛いお姫さん。」
Fin....
(あ、そういえば。)
(?)
(俺も兄さんて呼んでいいか?)
(…なんかムカつくから駄目だ。)
→あとがき
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