それぞれの道

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「おいラビ!いるかー?」 ちょうどお昼時。 ざわざわと騒がしい食堂に、リーバーの声が響く。 そしてその声に反応したように、食事中の座っている群衆から赤髪の少年がぴょこっと顔を飛び出させた。 「オレか?」 「そうだよ。お前以外にラビはおらん。」 「へへ。」 「室長が呼んでる。急ぎの件だから早く来いとさ。」 今も手いっぱいに資料を抱えたリーバーは、忙しなく早口にそう告げると、「頑張れよ。」と一言付け足して足早に食堂を出ていった。 その背中を見送りながら、「大変さねぇ…」と呟くラビ。 だがすぐにまだ残っていたご飯のことを思い出し、席に着いて続きに取りかかる。 「任務ですか、ラビ?」 隣にいた白髪の少年―アレンにそう聞かれ、ラビは最後の一口を口に詰めながら頷く。 一生懸命咀嚼してそれを飲み込むと、食器の後片付けをアレンに託し、ラビは食堂を出て室長室に向かった。 ****** 「んで……最近はそのアクマ達が毎日倒されていってる、と。」 汽車を降りながら、ラビが後ろにいるファインダーに呼びかける。 あまり時間がないということで、任務内容は汽車内で説明があった。 ヴァチカンからは結構距離のある小さな町セルビスで、アクマが大量発生。 恐らくイノセンスがあるのだろうとラビが派遣された。 だが、今回の件が違うことは、イノセンスに誘われて集まったアクマ達が、最近になって毎日殺されていることだった。 .
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