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「アクマを倒してるってことは適合者が来てんじゃねぇのか?」
「ええ。現地のファインダーは少し会話をしたようですが……」
そこでファインダーは言葉を切り言いにくそうに目を伏せる。
「…赤髪のエクソシストを呼べ、と言ったそうなんです。」
教団内のエクソシストで目立つ赤髪と言えばラビしかいない。
何故自分なのか、全く想像もつかないが、ラビは心の中にざわざわとした不安のようなものが広がっているのを感じた。
「オレをお呼びってわけさな。」
「はい。」
会話が終わるのを待っていたかのように、セルビスの町が見えてくる。
そして町に入った瞬間、アクマを倒したあとのガスがラビの鼻を掠めた。
「行くさ!」
「っ、はい!」
今日も、倒しに来ている。
このタイミングでやっているとは、まるでラビを寄せ付けようとしているらしい。
一声上げて走り出したラビに、ファインダーも遅れじと走る。
さっき見た資料によれば、恐らく臭いは町中央の広場から。
イノセンスはその広場にある噴水、と書いてあった。
そして広場へ抜ける角を曲がった瞬間、悲惨な光景が二人の目に入った。
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