それぞれの道

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「にしてもディックもエクソシストになってたなんて驚き…………って、わっ……!」 小さく戸惑いの声を上げ、蓮の言葉が止まる。 それは、ラビが突然蓮を抱きしめたから。 蓮への想いを押さえつけれなかったのか、ラビは力強く蓮を包み込む。 「ちょっと、ディック…」 「ラビ。」 「へ?」 「オレの名前は、ラビさね。」 耳元ではっきり言われた言葉に、はっとしたように蓮が顔をあげる。 そして彼の表情で全てを悟ったのか、一度唇を噛みしめ俯き、改めてラビの胸から顔をあげた。 「そう、だよね……」 「――――。」 ラビが、蓮の耳元で何か告げ、蓮が顔を真っ赤にした。 と、そんないい雰囲気をぶち壊しにするかのように、ドォンと鳴り響く轟音。 咄嗟に二人が顔を上げれば、まだ放置していたイノセンスに誘われたアクマが数体現れていた。 「……バッドタイミング」 「さね。」 アクマを睨むように、蓮が、整った唇を歪めて笑う。 そして二人それぞれ、イノセンスを構えた。 「いっちょ再会記念の共闘といきますかね」 「ええ」 そう蓮が言ったと同時に二人共走り出す。 蓮は一歩前にいるラビの背中を見ながら、ありったけの想いを込めて、口ずさんだ。 “私も、大好き。” Fin.... (なんか言ったか?) (いいえ、何も。) (……ふーん?) (…っ、何も言ってないから! 前向きなよ!) (はいはい。) →あとがき
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