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彼がこのような笑い方をする時は、大抵恐ろしいことかとてつもなく鬼畜じみたことを思いついたのか、それとも堪忍袋の尾がぶっつり切れたかのどちらかである。
龍二はこれから戦場に行き、人殺しをするかもしれないということに多少なりとも不安を抱いている。そういった時に、『鬼の風紀委員長』がどう思っているのか知りたく、かつこの笑いはどういう意味なのか知りたく、恐る恐る聞いてみた。
答えはある程度予想していたのだが・・・・・・・・・
「あ、あのぅ・・・・・・安徳さん?これから、もーしかしたら人殺しをするかもしれないわけなんですが・・・・・・躊躇いは無いので?」
すると、安徳は更に不気味な笑いでこう答えた。その答えは龍二の予想を超えるものだった。
「躊躇い? ハン、そんなもの微塵もありませんよ。
───最近、遅刻していながら堂々として教室に入ったり校則を平気で破りやがったり、とにかく風紀を乱す愚か者が大勢いやがるものですからものすごいイライラしていましてねぇ。ちょうどいいストレス発散が出来そうでウズウズしているんですよ・・・・・・ククク」
───あぁ、最悪の悪魔がご降臨なさった。
三人の身体が小刻に震えだした。心にいる自分がこの先起こるであろうことに対して涙していた。
今眼の前にいる安徳は自分達がよく知っている安徳ではない。人の皮を被っている極悪な悪魔だ。と同時に、今までよく凶行に走らずに耐えてたなと逆に感心してしまった。
かといって、彼への恐怖が消え去ったわけではない。
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