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そんなわけもあって、彼らは自分達が龍二達の踏んではならない起爆スイッチを押したことに気づいていなかった。
突然四人が不気味に笑いだしたので、馬毛は自分達に襲われて気でも狂ったかそれとも汚れだらけの奇妙な服を見て長く歩きすぎて変になったかと思ったが、それはすぐに違うと分かった。
彼らと眼が合った馬毛は身体中に悪寒が走っった。彼らの眼が常軌を逸していた瞬時に分かったからだ。
「ふふふ・・・・・・なぁ、あいつら、これまでに盛大壮大大盤振る舞いに華麗に血祭りにあげて差し上げた連中とおーんなじことを言ってるぜぇ?」
「あらぁ、そのようですわねぇ、オホホホ」
「ンヒヒヒヒ、どうしてくれようかなぁ・・・・・・・・・?」
彼らのあまりの不気味さに、賊はすっかり怯えてしまった。更に彼らの恐怖は増すことになる。
『おい、龍二や。わしも少々ムカッ腹が立っているのだが、わしも参加してよいかのぅ?』
『あら偶然ね青龍。じつはあたしもこいつらを焼き尽くしてやろうかとと思ってたところなのよ』
少年らの持っている槍と剣からどういったわけか人の声が聞こえた為、薄気味悪くなり身震いした。
「さ、て・・・・・・皆さん。そろそろ殺りましょうか?」
悪魔の笑みを浮かべる少年らがゆっくりと近づく度に、賊共はひぃと悲鳴をあげ一歩ずつ後退し始める。
「お・・・・・・おい、お前ら!早くあいつらを殺せ!」
馬毛は声を裏返らせながら部下に命ずるも、恐怖に恐れをなしていた部下達は拒絶するように首を激しく横に振った。
馬毛が再び怒鳴りながら命ずると、仕方なしに数名が斬りこんで行ったが、及び腰の連中は、彼らにとってその辺のチンピラを相手にするようなものだった。
「おや、大将さん。もうアンタとそこの奴しかいないぜ」
優勢が一気に劣性に覆されたことで、馬毛に心のゆとりがなくなっていた。後ろに唯一控えていた青年に声を荒らげて命じた。
「こ、高蘭、は、はやくあいつらを殺れ」
後ろに控えていた高蘭に言う。高蘭はくくく、と笑うと彼は血迷ったのか主人であるはずの馬毛を刺したのだ。あまりのことに、四人は唖然とする。
「こ、高蘭・・・・・・貴様、裏切るのか」
「私は貴方がたの味方になった覚えは毛頭これっぽっちもありませんよ」
高蘭は冷酷な笑みと口調で馬毛に告げた。
「消えなさい」
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