俺のクソババァ

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「水持ってきたよっ!」 家の外から叫ぶと、ちゃんと聞こえたらしくババァの声が。 『台所までもっでこいっ!』 どんだけ孫使いが粗いんだ。 二つに入っていた水を一つにまとめ台所へ持っていくと、そこには目を疑う信じられない光景が広がっていた。 蛇口から出る水で野菜を洗うババァの姿が……。 「ちょ、ちょっと、バァちゃん! 水道あるじゃんかよ」 『あたりめーだ。今時水道がない家なんかあるのか?』 やっぱり歳だからボケたのか。 いや、ババァに限ってそんなことがあるわけない。 「だったら、なんで井戸の水を俺に……」 『汁ものには、井戸の水が美味いんだ。水道水なんか使えるか』 この日から、朝晩の水汲みが俺の日課となった。 絶対おかしい。俺はほんの一ヶ月前に事故で両親を亡くしたんだぞ。 『ほらっ! ボサッとしてねーで。水が足んねーべさ!』 朝四時半に起床し、水汲みと畑仕事。それから一時間半かけて山を越え学校へ。 帰ってきたら、また水汲みをして、掃除と夕飯の支度。極めつけに、風呂上がりのババァをマッサージする。 こんな地獄のような毎日が始まった。
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