俺のクソババァ

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もちろん、いつまでも未成年が堪えられるわけがない。 ある時、限界を越えた俺は爆発した。 「バァちゃん、もうやだよ。友達は誰も働いてなんかないよ。俺、孫でしょ? 血が繋がってるじゃん」 『ババは足腰が悪いんだ。住まわしてやってんだから働け。 ――血? そんなもん薄まっとるが』 薄まるって……。 「でも、バァちゃん……」 『うるせー! 春になればわがるっ!』 こうなったらもう駄目。何を言っても"春になれば~"の一点張り。 諦めるしかない。 もちろん、中学を卒業し、春を迎えたからといって何も分からなかった。 変わった事といえば、俺に少しだけ知恵と勇気が備わったこと。 そうだ、逃げ出したんだ。 ――安易に夜逃げを選択。 ど田舎なので真っ暗闇で何も見えない。 数時間で帰宅。 どうやら、勇気は備わっていなかったらしい。
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